東京駅から徒歩約4分、地下鉄大手町駅から直結の丸の内テラス9階、10階に位置する
東京・丸の内のフラッグシップレストラン「THE UPPER」が7月7日にオープン。
9階は創作フレンチレストラン、10階はよりカジュアルにお食事が愉しめる
大型ルーフトップレストランのブラッスリーフロアになっています。
今回は9階の「NINE by La Cime(ナインバイラシーム)」
一流ミシュランシェフによるフレンチ イノベーティブ・フュージョンを堪能してきました。
「NINE by La Cime(ナインバイラシーム)」究極のディナー体験を綴っていきます。
”究極の食と香り体験”「NINE by La Cime(ナインバイラシーム)」
メニューはシーズナルテイスティングコースのみの提供。
13皿前後の【香り】がテーマになっているコース構成で、
フレンチを軸にしつつも、日本各地域の旬な食材を使用。
シェフの生まれ育った奄美大島と福島から集めた食材も存分に組み込まれています。
香りと料理の世界観へと誘うプレゼンテーションと共に、
その土地の食文化や味覚を味わえるのはこの時、この場所でしか体験できません。
オリジナリティ溢れる”味覚の天才”高田シェフと抜群の感性とセンスを持つ徳島シェフが
共鳴し織り成す革新的で洗礼された渾身のフルコースがいただけます。
食材名のみを記したメニューや料理の見た目からは想像もできない食体験の数々、
食べるたびに感動とサプライズが止まりませんでした。
店内は木目調のフロアに、ダークカラーをベースにつくられた静寂空間。
とても落ち着きのあるインテリアデザイン且つ非日常的でラグジュアリーな雰囲気が溢れています。
レザーテーブルマットやテーブルライトなどのテープルコーディネートにも拘りを感じ、一流に揃えられていました。
徳島亨シェフ、高田裕介シェフによる独創的革新的フレンチ体験を
シェフを務めるのは、トランジットジェネラルオフィスコーポレートシェフに就任後、
2020年に「THE UPPER」のシェフに就任した徳島亨シェフと、
ミシュラン2つ星を6年連続で獲得し、アジアベストレストラン2022では6位に輝いた
味覚の天才、La Cime (ラ・シーム)オーナーシェフの高田裕介シェフをパートナーに究極の頂へ導きます。
“香りの体験” への拘り
・ウェルカムドリンク
エントランスを入りすぐにバーカウンターと、
ウェイティングスペースがあります。
予約時間に入店後、まずはソファ席でウェルカムドリンクをいただきます。
ディルと柚子を使用したノンアルコールスパークリングカクテル。
・炭
3種の植物の種から採れたエキスが配合されたシークレットスプレーを
テーブル上に置かれている炭に吹きかけ、料理と共に香りを愉しむ新たな香りの体験。
ディナーが始まる前に香りを嗅いでみるとかすかに炭の香りがするだけでしたが、
いただく食材によって香りの変化が愉しめるという不思議なものでした。
食材のみを記載しているメニューを見て次にどんな一皿が提供されるのか、
どんな香りが愉しめるのか想像しながら待っている時間もとても良かったです。
シーズナルテイスティングコース
「香り」をテーマにした13皿前後のシーズナルテイスティングコース
18,000円
・ブーダンドッグ
福井県産の鯉と鳥軟骨
フォンドヴォーソース
初めの一皿目は、ラ・シームでのスペシャリテ「ブーダンドッグ」を。
福井県郡山産の鯉を使用し、東京ver.にアレンジしています。
独特な臭みもなく、フォンドヴォーソースとの相性が抜群。
・ライチ
高知県産のライチジュレとローズウオーターのクリームを混ぜ合わせたゼリーが登場。
塩味のアクセントとしてトップにキャビアを。
バラの優雅で上品な香りとともに、フレッシュライチが口の中いっぱいに広がります。
果実のジュースとキャビアのほどよい塩味で五味を刺激。
香りや視覚で存分に愉しめるアミューズグール。
もはや芸術です。
・ドジョウ 茄子
苦味がテーマのアミューズ。
器の蓋には炭火焼きした焼き茄子のピューレをカカオニブで作られたカカオシートで包んでいます。
蓋を開けるとカカオニブを桜のチップで燻製したほろ苦い香りが香ってきます。
器の中にカカオニブをちらし、ドジョウが泳いでいるかのような演出でちょこっと顔を出しています。
青森県産のドジョウをカカオニブのマリネードで漬けて一夜干しし、炙っています。
サクッとした風味豊かなドジョウと、しっとり柔らかな食感が混ざり合います。
口の中で存分に苦味をあわせて愉しむこれまた新感覚な一品。
・ルバーブ
クルミをタルト生地に練り込み、ルバーブをあわせた一皿が登場。
トップには、リースを印象づける人参のお花で華やかにデコレーション。
しっかりとにんじんの香りがします。
タルトをいただくと中からはルバーブ本来のしっかりとした香り強さ、
ピクルススライス、エシャロットのコンフィで絶妙な酸味、
コンフィチュールの甘さなどの異なる味覚が刺激します。
・ドメロ パプリカ
トマトを薄焼きにしたチップスにナスタチウムの花びらがのったもの。
パリッとした食感がアクセントに。
器の中には、ナッツや辛味のアクセントに海塩ペッパー、
唐辛子を混ぜたロメスコ風パプリカのムース。
高知県産のドロメ(生しらす)を昆布締めにし、
目の前では、昆布とトマトのエキスを加え、仕上げをしてくれます。
酸味と香りを加えたドロメをパプリカのムースと混ぜ合わせいただきます。
トマトのチップスにつけていただくとより食感が愉しめました。
これまた芸術な一皿。
・よもぎ蒸しパン
温めれた焼石にお湯をかけて蒸し上げを。
中にはよもぎを混ぜたチップで蒸すことで、よもぎの香りが更に強まります。
よもぎを練り込んだ蒸しパンにパプリカムースとドロメを混ぜ合わせたものをつけていただきます。
・烏賊 モズク
炭火焼きにしたケンサキイカとスミも加え、苦味を愉しみます。
茶豆、オカヒジキ、海ぶどうをサラダ風に和え、様々な食感がこの一皿で味わえます。
もずくやじゅんさいが入った器には、発酵されたしろすぐりも合わさります。
一般的な赤いすぐりのほうが酸味が強いそうで、
比べてこのしろすぐりは優しい酸味が特徴。
もずく酢のとろみとしろすぐりが弾けるときの酸味や
両皿の苦味も愉しむ、とても繊細な味わい。
パプリカの辛味をさらっとうまくリセットしてくれる烏賊とモズク。
交互に美味しくいただきました。
この一皿では箸が出てきたのも面白かった。
フレンチでテーブルに箸がセッティングされることがなかったので、透かさず写真を撮ってしまいました。笑
・骨髄 谷中生姜
牛肉からしっかりとった出汁と魚のコンソメで作ったフランに、
牛ハツのコンフィが合わせられています。
新生姜の泡と刻み生姜を散らすことで、一気に爽やかにいただける一品。
谷中生姜を肉と魚のコンソメで炊き上げ、そばの実をまぶしています。
はじかみ生姜のような、一つの料理として昇華させた料理。
・パン
酒粕とレーズンの酵母で作った自家製カンパーニュを香ばしく焼き上げています。
風味豊かなカンパーニュと一緒にいただくのは、豆乳のホイップバター。
ヴィーガンなので乳脂肪はなくとても軽やかです。
おかわりが欲しくなるほどの美味しさでした。笑
・アスパラガス 鮟鱇
アスパラガスのムースと炭火焼きアスパラガス。
アスパラを一週間発酵させたエキスに、
鮎の塩を加えたスープを炭火で焼き上げたアスパラガスと合わせていただきます。
素材本来の旨味をより引き立たせ、季節感を感じる一皿。
鮟鱇はとても弾力があり、噛む度に旨味が出てきます。
バターベースでつくられたソースと絡めていただく新たな食体験。
・奄美 島豚
メインは奄美島豚。
鶏の出汁にマリーゴールドの葉の加えたソースを。
サイドには満願寺唐辛子のソテー、柚子胡椒やミントを添えた満願寺のサラダ、
発酵塩レモン、黒糖でバナナをキャラメリゼしたもの。
甘味、酸味、辛味や苦味が愉しめるおもしろいサイド構成。
“幻の島豚”とも言われている奄美島豚は、
脂までしっかり旨味が詰まっていて、焼き加減も完璧。
ペアリングでいただいたピノ・ノワールとの相性が抜群でした。
メインで使用するカトラリーは、
種子島で500年の歴史を持つ田畑刃物の屋久島産木材を使用した、
オーダーメイドミドルサイズナイフと1830年創業、
フランス高級銀器ブランドのクリストフルより。
【エデンの園】をモチーフに草花をふんだんに散りばめた
上品且つ繊細で、美しく細部にまで装飾が施された
ジャルダンエデンでテーブルを華やかに彩ります。
日本×フランスという斬新な組み合わせが
ワンランク上のテーブルコーディネートを演出しています。
・麹
アヴァンデセールは、甘酒香る優しい味わいの一皿。
自家製甘酒をムースに。
ふわっとした口溶けと食感が愉しめます。
ほのかに舌に残る塩味も良かった。
・無花果
グランデセールは、無花果のクレームブリュレとコンポート。
クリームブリュレのトップには、無花果の葉を使ったクランブル、
その上に無花果のピュレを液体窒素で冷やし固めたシャーベットを。
目の前では無花果のシャーベットをかけてくださり仕上げをします。
コンポートは見ての通り無花果そのものを味わうかの様なビジュアル。
中にはホワイトチョコレートのガナッシとカシスを合わせたピーナッツを焦がしたものが入っています。
・茶菓子
最後の茶菓子は3種。
東京ばなな
ラシームではオリジナルのミックスジュースが入った小菓子がありますが、
こちらでは東京らしく、東京バナナというチョコレートが氷入りの器に入った
東京バージョンのデザートで〆でした。
フィナンシェ
福島のウイスキーを使用したフィナンシェ。
徳島シェフの故郷である福島で作られたウイスキーの香りを取り入れています。
葡萄ジュースのグミ
ワイン用のぶどうをジュレにしたグミ。
ドリンク
・HILDON(ヒルドン)
コースにはミネラルウォーターがついています。
エリザベス女王の祝賀パーティでも振舞われた
英国が世界に誇るナチュラルミネラルウォーター。
ヨーロッパの硬水によくある苦味や飲み難さはなく、
バランスの良いミネラル感が特徴の中硬水。
炭酸水、無炭酸水のどちらか選ぶことができます。
ワインはフランスをメインに約200種類の取り揃え。
シェフ監修のソムリエが厳選したペアリングもオーダー可能です。
今回は、気になったワインや好きな品種のものをいただこうと思ったのですが、
ワイン3杯目を頼む際にペアリングをおすすめしてくださり即変更。
普段自分では頼まないものなどをペアリングに愉しめました。
・シャンパン
ペリエ・ジュエ グラン ブリュット
Perrier-Jouet Grand Brut
産地:フランス
品種:シャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエ
明るく輝く黄色のローブ。
洋梨や桃、グレープフルーツなどの果実味溢れるアロマと蜜の香り。
とても豊かで心地よく、バランスが感じられるリッチな味わいが特徴。
口の中に広がる余韻は決して強すぎず、スッキリとした印象でどこまでもエレガント。
・白ワイン
甲州 登美の丘 2019
産地:山梨県甲斐市
品種:甲州
甘い果実や柑橘系、白桃シロップを思わせる香り。
穏やかな酸味、ほど良い渋味のあるふくよかな味わい。
辛口ながら、遅摘みぶどうならではの凝縮した果実味が特徴。
・オレンジワイン
カレン アンバー 2019年
Cullen Amber 2019
産地:西オーストラリア/マーガレット・リヴァー
品種:ソーヴィニヨン・ブラン
レモン、オレンジの花、金柑の香りと
微かな蜂蜜の香りを感じさせる非常に複雑なアロマ。
無花果、乾燥した洋梨、オレンジなどの濃い味わいが感じられる。
フィニッシュに穏やかな塩味が感じられ、長い余韻が続きます。
・白ワイン
ジュリアン ブロカール
シャブリ プルミエクリュヴォー・ド・ヴェイ2019
JULIEN BROCARD Chablis 1er Cru Vaudevey
産地:フランス/ブルゴーニュ シャブリ
品種:シャルドネ
アニス、グリーンペッパー、トーストやアーモンドのアロマ。
初めにクリアな蜂蜜のタッチがあり、砂糖漬けのレモンの皮
メンソールに良質な海塩のニュアンスを感じる。
張りのあるフルボディで長い余韻が続く。
・赤ワイン
ヴォーヌロマネ 2019
モンジャール ミュニュレ
Vosne Romanee / Mongeard Mugneret
産地:フランス/ブルゴーニュ/コート・ド・ニュイ
品種:ピノ・ノワール
チェリー、ストロベリーなどの赤系果実の上品な香り。
時間の経過とともに現れる森の下草のアロマが複雑性をもたせる。
繊細でキメ細かい控えめなタンニンと控えめな酸味が特徴。
素晴らしくまろやかで余韻も長く愉しめる。
・デザートワイン
ドメーヌ・オステルタッグ2017
ヴァンダンジュ・タルディヴ ゲヴェルツトラミネール
Domaine Ostertag Gewurztraminer Vendange Tardive
産地:フランス/アルザス
品種:ゲヴュルツトラミネール
天候に恵まれた年だけの遅摘みのゲヴュルツトラミネールで造られる甘口ワイン。
20〜50年の長期熟成が可能。
華やかな芳香、熟した果実の香り、凝縮感のある味わい、長い余韻。
・アイスコーヒー
食後はコーヒープレスで淹れる珈琲を。
綺麗に削られたロックアイスに注ぎいただきます。
店舗情報
ジャンル:フレンチ、モダンフレンチ
最寄り駅:大手町駅
TEL:03-6206-3939
住所: 東京都千代田区丸の内1-3-4 丸の内テラス9階
営業時間:水-日曜日 18:00〜23:00
(最終入店20:00)
定休日:月曜・火曜(祝日営業)
予算:ディナー平均¥20,000〜¥25,000
サービス料:10%
お子さまについて:12歳未満のお子様は入店不可
席数:52席(個室1室)
※店舗情報やメニューは変更されている場合もございますので予めご了承下さい。
情報の確認は店舗へご連絡お願い致します。
アクセス
東京都千代田区丸の内1-3-4 丸の内テラス9階
東京メトロ大手町駅 B1b出口直結
都営三田線大手町駅 B1b出口直結
JR東京駅丸の内北口 約4分
大手町駅から120m
まとめ
今回いただいたシーズナルテイスティングコース。
今までの食体験や想像を遥かに覆す新たな発見と驚きばかりでした。
味、お店の雰囲気、サービスはもちろん素晴らしく、
洗礼されたプレゼンテーションと香りの演出で奄美大島や福島など使用されている食材産地に自分がいるかのような気分に。
フレンチベースにも関わらず、日本各地から集めた食材や魅力にも触れることができました。
日本の中心、東京 丸の内というロケーションで五感に響く究極のイノベフレンチ。
何もかもが拘り尽くされた空間の中で、有意義で贅沢な時間を堪能できました。
ぜひ、“究極の香り体験” の魅力を味わってみてはいかがでしょうか。
ごちそうさまでした。
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